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2008年11月18日
尾道の幼稚園でピアノを弾いてここのところ何だかんだと家を空けることが多く、週記の更新も久しぶりになってしまいました。 先週も、友達を訪ねて尾道に行き、子供たちが通っている幼稚園でピアノを弾いてきました。 とても大きな幼稚園で、園児は合わせて100人ほどだそうです。その幼稚園には寄付されたという立派なグランドピアノがありましたが、そのピアノの位置が固定されていて、子供たちから私の手が見えなかったのが少し残念でした。でも、最後には幼稚園の先生の計らいで、みんな一列に並んで、順番に私が弾いているところの手を見られるようにしたら、やっぱりみんなすごく楽しそうでした。 何人かの子供は、まん丸の目で食い入るように見つめていて、本当にピアノや音楽に興味があるんだなと感じられて嬉しかったです。好奇心いっぱいの子供の顔は素晴らしい。教育は、無理やり何かを植え付けることよりも、この好奇心や興味が増すように、少し控え目に、でもしっかりと手助けをする事が大事なのだと思います。 さあ、今週末は、留学の時からお世話になっているデザイナーの方の結婚式に出席して、お祝いと感謝の気持ちをこめてショパンの舟歌を弾きます。 |
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2008年11月05日
杉山寧の「杳」~ポーラ美術館観ると勇気づけられる絵というのはあるもので。 先日、友達とポーラ美術館に行ってきたのだが、一番感動したのが、常設展で展示されていた、杉山寧(やすし)の「杳(よう)」だった。 茜色に染まった空を背景に、大地を一頭の馬がこちらに駈けてくる。 絵を観て背筋が伸びるような気がして、「よし、堂々と生きよう」という言葉が浮かんだ。
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2008年10月24日
アブデル・ラーマン・エル=バシャを聴く昨日は、武蔵野音楽大学に、エル=バシャのピアノ・リサイタルを聴きに行った。 曲目は、前半がベートーヴェンの作品10のソナタを3曲、そして後半は、ラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」と、ショパンのピアノ・ソナタ第3番。 エル=バシャについては、いろいろな人から評判を聞いていたが、噂どおりの名手だった。 前半のベートーヴェンは、職人芸の極地。悠々迫らず、どこまでも落ち着いた演奏態度から生み出される音楽は、細部までクリアで、曲の構成も明解。作品10の1、ハ短調のソナタの第1楽章では、音楽のペースを微妙に変化させながら、時には立ち止まってみたり、といった瞬間が面白く、さすが作曲家でもあるエル=バシャ、曲の形の理解がすごいなと感じた。あと、ヘ長調のソナタの第3楽章は、素晴らしいリズムでの快進撃、圧巻だった。ただ、二長調のソナタは、ものすごく上手だけども、「喜び」も「悲しみ」も足りない感じで、自分にはもの足りなかった。 後半でも益々感じたのだが、この人の演奏は、どこをとっても良く考えられていて、どう弾きたいかがはっきり伝わってくる。それは素晴らしいことだし、結果として面白いことも多かったのだが、ただ、ショパンのソナタなど、ちょっと頭で考えすぎていているのではないかと思った。感情があまり伝わってこない。第1楽章など、部分部分はとても美しく構成されているけど、音楽の作りが小さく、曲全体の大きなドラマが伝わってこない印象で、少々残念だった。 などど思いつつ、プログラムの本編を聴き終ったのだが、アンコールで、エル=バシャ自身の作品の自演を聴いて、ある意味、とても納得してしまった。自作の曲、3曲とも、どれも中東の香り漂う作品で、楽しい舞曲だったり、素朴でやさしい「歌」だったり。エル=バシャが本当に好きな世界はこれなのでは、と思った。何か、大きな悲劇のドラマとかではなく、親しみやすい歌や踊り、または気軽で知的なリズム遊びなど、日常の延長にあるような世界。 また、もちろん類まれな才能と長年の修練によることが大きいとは思うが、そのような肩肘張らない姿勢でピアノに向かっているからこそ、あのような長くて難しいプログラムも軽々と弾き通せる境地に至っているのではないかとも思った。 昨晩は、深く共感したり、心が満たされたり、という意味ではちょっと不満だったのだが、ただ、今日、ピアノを練習していて、自分がとても楽な感じでピアノを弾けるのに驚いた。これはきっと、エル=バシャの極めて余裕のある演奏、決して前のめりにならず、楽な呼吸で堂々と弾いている姿に触れて、影響されているのかも。 やっぱり、良さそうな演奏会には、もっと頻繁に足を運ばなければ。でも次は、本音を言えば、もっと音楽に深く共感して、全身全霊で奏でるようなアーティストの音楽を聴きたいな。例えば、篠原雅彦、山田武彦、ジェシー・ノーマンのような。 |
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2008年10月18日
演奏家としての幸せ先週の日曜日、近所のデイケアセンター、「ぐっどういる境南」のお祭りで演奏したのですが、もう最高に楽しかったー! 20分と、比較的短い本番でしたが、お客さんも多く、また、皆さん、とても演奏を楽しみにして下さっている雰囲気が弾く前から伝わってきて、本当に気持ち良く弾かせて頂きました。あんなに「詩」が自然と流れ出すような感覚は久しぶりで・・・ 演奏後も、何人もの方から嬉しい感想をいただいたのですが、数日後、一枚の素敵な絵手紙が家の郵便受けに入っていました。 音楽とはこんなにも心優しく 本当に弾いて良かったと思いました。「認められよう」と思いすぎると、いい演奏はできない。でも、まずは自分なりに心を開いて、心からピアノを弾いて、そしてその結果、音楽が聴いている人の心に届けば、演奏家として、こんなに幸せなことはないです。 というわけで、この間は何だかとっても励まされ、その数日後、思い立ってホールを予約して来てしまいました。来年、2009年6月13日(土)に、武蔵野市民文化会館で久しぶりにソロ・リサイタルを開きます。ソロ・リサイタルとしては三年振りになりますが、何を弾こうか、今からすごく楽しみです。かなり先の話ですが、皆さん、どうぞ聴きにいらして下さいね! |
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2008年10月07日
発表会、無事終了しました~発表会を聴いて下さった方、どうもありがとうございました! 演奏された方、お疲れ様でした。かなり気持ちよく弾けた方、あんまり集中できなかった方、最初は調子良かったけど途中から疲れてしまった方・・・って、それは自分か。まあ、いろいろな感想をお持ちでしょうが、皆さん、それぞれの状況の中でご自分なりに努力されたのですから、まずは自分のことを誇りに思っていいですよね。 演奏は、成功と失敗とにはっきり分けられるものじゃありません。全員、上手くいった部分もあれば、上手くいかなかった部分もあるはず。私は、その両方を認められることがとても大事だと思っています。上手くいった部分は、素直に喜んで自信につなげる。上手くいかなかったところは、くよくよ考える代わりに冷静に向き合って、次はどうしたら上手くいくか考えて実行する、というのが私のやり方です。 とは言え、頑張った後には休息とご褒美が必要。というわけで、私、2日ほど山に入ります。ワクワク。
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2008年09月30日
発表会の曲目発表会の曲目を、「演奏会の予定」にアップしましたので、どうぞご覧下さい。 |
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2008年09月25日
ひとつ本番が終わりひとつ本番が終わって疲れも出ていますが、やるだけのことはやった感、思いきり表現できた感があったので、ちょっと充実した気持ちに浸っています。 演奏って、お客さんと作るものだなあと、いつも思います。 さあ、来週末は、教室の発表会です!
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2008年09月19日
最近、練習していて思うこと来週、とあるパーティで、初めての曲を弾きます。ショパンのソナタ第3番のフィナーレ。かなり長い時間をかけて準備してきたけど、それでも、初めてというのはなかなかコワイもの。昨日、友達に聞いてもらって、ちょっと安心しましたが。 というわけで、東京に戻ってからもけっこう練習しているのですが、最近、練習中に考えることは、「臨機応変に」ということです。「こういう練習をすれば絶対うまくいく」という練習法はないと、つくづく思うのです。 その時の自分の身体や心の状態、演奏の状態に応じて、どのように練習したらいいか柔軟に考えて、実行していく。そうすると、練習が嫌になったり、指の調子を崩したりせずに、無理なく仕上がっていくみたい。何よりも「弾きたい!」という欲求を失わずに練習が続けられることが大きいです。 そのためには、いつも自分の心や身体の状態に気付いていないといけないけど。でも、そうした自分に向き合う姿勢って、生活全般でも、楽しく気持ちよく活動するためには欠かせないことですよね。自分は、ピアノの練習を通して、楽しく生きるために必要なことを身に付けてきたような気もしています。
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2008年09月11日
10月4日に発表会を開きます「演奏会の予定」にもアップしましたが、10月4日(土)に教室の発表会をやります。みなさん、お時間があったらどうぞ聞きにいらして下さいね。教室の雰囲気が知りたい方も是非どうぞ。 発表会で生徒の演奏を聴くのは、ハラハラしちゃって大変、という話をよくピアノの先生仲間から聞きますが、私はぜんぜん大変ではないのです。もちろん、みなさん多かれ少なかれ緊張して弾くので、思わぬアクシデントが起こることもあけど、それって、とても普通でよくあること。それより、それぞれの方の感性、感情の表現を聞けるのが、毎年とっても楽しみです。 数年前、ある日本人の有名ピアニストの演奏会で、ベートーヴェンの熱情ソナタの第一楽章が、普通は10分ぐらいかかるのが、5分ぐらいで終わってしまったのを聞いたことがあります。途中で分からなくなっちゃって、いきなりコーダに飛んでしまったのです。あの最高に盛り上がる展開部がそっくり抜けちゃってました。 あんなに百戦錬磨のピアニストでさえ、そういうことが起きるのです。ましてや、一年に一遍ぐらいしか人前で弾く機会がない生徒さんが、たとえ間違えたり止まったりしたって何にも驚きません。ちなみに、その「熱情」のピアニストは、その後も平然と弾き続け、長大なプログラムを立派に弾き通していましたよ。 聴いている人に伝わるように、クリアな演奏をすることは大切だし、そのために長い時間をかけて細部まで磨くことはとても大事だけど、それと同じぐらい、マイナスの部分にこだわり過ぎないこと、ミスを気にしないことも大事だと思います。その方が、音楽を表現することに集中できるし、だんぜん楽しくピアノを弾けます。 というようなことを、普段のレッスンでも生徒さんにお伝えしているので、最近は発表会でもみなさんの演奏の雰囲気が変わってきているように感じています。私も、みなさんに負けないように、しっかり練習して、かつ、本番では思いきり開き直って楽しみますよー! |
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2008年09月03日
アントニー・シピリ~草津国際音楽アカデミー&フェスティヴァルただいまー! 今年の草津の音楽祭では、ケルン音楽大学教授のアントニー・シピリのアシスタントを務めましたが、シピリは本当に凄かったー!どの曲のレッスンも素晴らしかったけど、特にバロック~古典派の様式観を身につけたかったら、ぜひシピリ先生のレッスンを受けるべしです。 さすがアーノンクールのアシスタントをやっていた方だけあって、アーティキュレーションのつけ方、拍節の感じ方、バロック時代の価値観、和声感と調律の関係など、膨大な知識と心からの共感を伴った表現は圧倒的で、また、その説明がとても分かりやすくて面白いのが最高でした。 基本的な部分に関しては、フェレンツ・ラドシュ(私のハンガリー時代の先生)と共通点が多かったので、その点ではとても通訳しやすかったー。というもの、自分が音楽家として理解できないことを通訳するのは本当に大変なのです。ただ、ヴォキャブラリーがめちゃくちゃ豊富なのには参りましたが。 それから、バッハの鍵盤作品の元になったコラールや、似ているカンタータをあれだけ弾いたり歌ったりできる人は初めて見ましたよ。マタイ受難曲を弾けるぐらいでは驚かないけど、タバコ・カンタータをピアノで弾きはじめた時は、正直のけぞりました。 さらに、バッハの作品が、フレスコバルディやフローベルガーなどの作曲家の作品の流れから生まれていることを、あんなに分かりやすく説明できる人は、ピアノの先生では稀有なのではと思います。オルガンの先生だったらいるでしょうが。というか、私自身、いろいろ目からウロコで、感動の連続でした。 そして何よりも、温かいユーモアを交えながら、レッスンを終始、明るい雰囲気で進めていらしたのが何とも嬉しく。生徒を尊重する姿勢、生徒の良い点をちゃんと認めて、自然に褒めながらレッスンを進めていくやり方には本当に勇気づけられました。 ああ、シピリの演奏、音楽に対する姿勢、レッスンが日本でもっと広まりますように。できるだけ多くの方に演奏やレッスンを聴いてもらいたいです。それから、日本の音大関係者のみなさん、ぜひぜひアントニー・シピリ氏を招くべしですよー!
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